有機栽培、有機JASの危険性について。硝酸態窒素の問題。

有機JASマーク

有機野菜は本当に安心安全なのだろうか?

多くの人が有機栽培の野菜が安心安全だと思っています。確かに実際に有機栽培を行い、有機JASの認証を受けるには、それなりのハードな審査を通過しなければならないので、当然なことです。

でも、有機JASの審査が通ったからと言って必ずしも安心安全とは言い切れないことも知っておいた方が良いと思います。

当ブログでも、過去に有機栽培、有機JASについて、有機栽培の危険性について記事にしているので興味のある方は是非ご覧になってください。

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今回は、過去に触れなかった硝酸態窒素の危険性について書こうと思いますが、その前に、有機野菜、有機JASとは何か?簡単に説明します。

有機野菜と有機JASについて

有機野菜とは、1992年農林水産省が作成した「有機農産物及び特別栽培農産物に関わる表示ガイドライン」に基づき「科学的に合成された肥料及び農薬を避ける事を基本として、畔播種または植え付け前2年以上の間、堆肥による土づくりを行った農場において生産された農産物」のことを言います。

公的にきちんと定義付けがされています。

さらに2000年に日本農林規格(JAS)が改正され、有機農産物またはそれに類似した「有機JASマーク」を表示するためには、農林水産省の登録を受けた第三者機関の認証による審査に合格することが必要になりました。

この記事のトップ画像が「有機JASマーク」です。下の画像を見て頂くとわかりますが、マークの下に何やら文字が書かれています。それが審査を行った公的登録を受けた第三者機関です。

有機JASマーク

有機栽培における硝酸態窒素問題

硝酸態窒素

糞尿に含まれるアンモニアが土壌中でアンモニア態窒素になり、土壌の硝酸菌がそれらから亞硝酸態窒素、硝酸態窒素を生成する。

硝酸態窒素は動物が取り込むと、腸内細菌の働きにより亞硝酸態窒素に還元される。亞硝酸態窒素は、ヘモグロビンに作用し、ヘモグロビンの鉄イオンを2価から3価にする。これをメトヘモグロビンと言い、事実上、酸素を運搬することが出来ない。つまり各細胞は酸欠状態に陥り易くなる。

硝酸態窒素の発癌性でよく言われているものにニトロソアミンがある。これは亞硝酸態窒素が脂肪族アミンと反応することで生成される。人の體内でも生成される。

家畜の糞尿肥料から野菜を作ることで、野菜のみならず、土壌も汚染し、飲料水も汚染します。

細胞が酸欠になるとミトコンドリアが正常に機能しなくなり、活性酸素を産み出す。併せて嫌気性解糖系が優位になり、乳酸がより多く作られて體のpH(水素イオン指数)は酸性に傾き易くなる。酸性に傾いた體の細胞はエネルギーや電子や老廃物のやり取りをしにくくなる。

ニトロソアミンが直接的に発癌性がある上に、亞硝酸態窒素によって間接的に“発癌しやすい體”となる。

オーガニック、有機栽培、とだけ謳った野菜には注意が必要ですよ

参照元:山本学司氏のFacebook

「家畜排泄物」

知り合いに、熊本の玉名牧場に案内された。乳牛の放牧で有名な小さな牧場であり、成長ホルモンはもちろん、抗生物質や医薬品は使用せず、自然受精、自然分娩にこだわる。

玉名牧場は15ヘクタールに乳牛30頭。これ以上だと、牛の排泄物による牧草の硝酸態窒素量が多くなりすぎて、牛が牧草を食わなくなると、代表の矢野さんがおっしゃってた。排泄物の中には大量の窒素があるからだ。

(中略)

増え続ける家畜の量と処理しきれない排泄物の量。この問題を置き去りにはできないからこそ、本当に牛肉、豚肉、鶏肉の消費量が適切なのかを考え直す必要がある。

そして、その上で、農家も無肥料という選択肢を考えてみる必要がある。もちろん家庭菜園においては、無条件で無肥料を選択すべきだと僕は思っているが。

参照元:岡本よりたか氏のFacebook

家畜の糞尿由来の有機肥料には、家畜に与える遺伝子組み換えされた飼料、成長を促進される成長ホルモン、病気にならないための抗生物質などを含んだ排泄物から作られる、という問題点があります。

そして上記の内容が該当しなくとも、元々糞尿にはアンモニアが含まれています。

アンモニアは土壌に生息する微生物の働きによって硝酸態窒素になり、体内に取り込まれると腸内細菌により亜硝酸態窒素になります。亜硝酸態窒素はヘモグロビンに働きかけ、酸素を運搬できないメトヘモグロビンにしてしまい、身体は酸欠状態に陥り様々な症状を生み出してしまいます。

また、硝酸態窒素を取り込んでしまうと体内でニトロソアミンという発がん性物質がつくられてしまいます。余談ですがハムやソーセージの発色剤・防腐剤として使われる亜硝酸塩からもニトロソアミンが作られます。

上記の通り、硝酸態窒素は身体の恒常性を乱し、身体に弊害をもたらしてしまうのです。

放牧されている牛は自ら出した排泄物による硝酸態窒素が多くなりすぎると、そこに生えている草を食べなくなるそうです。その草が有機栽培された野菜だと考えると・・・、

人間と牛を同列に扱うことはナンセンスかもしれませんが、直感的に嫌な感じがしてしまいます。

まとめ

有機栽培、有機JASの野菜は安心安全だと思われがちですが、必ずしもそうではなく、その安全性はピンからキリであると考えて良いでしょう。

有機JASの認証を受けたものは無農薬のものもありますが、認可された農薬の使用が法的に許されています。必ずしも無農薬でありません。農薬のリスクがあるのです。

また、有機肥料になる家畜の糞尿には、遺伝子組み換えの飼料、成長ホルモン、抗生物質などの影響もあり、さらには今回お伝えした硝酸態窒素の影響もあります。

有機JASマークのついている商品は安心だと思う人がほとんどでしょう。私もその一人かもしれません。しかし大事なのは有機JASマークがあるかないかではなく、その野菜、作物が、どのような農薬を使われているか、どのような有機肥料を使われているか、回数、使用量がわかることが大切です。

自然食品店ではそのような情報を開示している有機JASの商品がたくさんあります。是非参考にしてみてください。

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