【重曹のウソ】「重曹が癌に効く」は、話しに尾鰭が付き過ぎた嘘であり、危険を伴う

重曹 ウソ

近年、重曹が健康維持に良いことがインターネットを中心に話題になっています。今までは掃除に使う洗剤の代用、調理の添加物として認知されていましたが、酸化した身体への還元作用、放射能対策、虫歯予防、あるいは癌に効く等、重曹の効果に注目が集まっています。

そんな中、以前に「重曹うがい・重曹虫歯予防」の注意点について記事を書きました。現代の食生活において我々人間の身体は酸化され易く、それは口腔内も同様であり、還元作用のある重曹が虫歯予防に効果があるということですが、元々口内に分泌される唾液には還元作用があり、重曹に頼ってしまうと唾液が持ち得る還元能力は弱まってしまうので危険であるという内容でした。

暑さ寒さから身を守るために室内にエアコンを利かせますが、そのために身体の持ち得る適応能力は低下してしまいます。また、ウイルスや細菌などから身を守るためにマスクを着用しますが、そのために免疫力は弱まってしまいます。それらと同様に、口内に重曹の還元作用を働かせると、唾液に備わった還元能力は失われてしまうのです。

重曹による虫歯予防は本当に安全なのだろうか? 重曹は掃除のとき、油汚れを落とすのに使ったり、調理の添加物として、お菓子やパンを膨らますために使いますが、最近では健康を維持するために使うことも多くなってきています。 本来、人間の体はアルカリ性です...

そこで今回は、健康に良いとされる重曹の注意点、危険性のうち、「癌に重曹が効く」ということについて話をしたいと思います。

「重曹が癌に効く」は本当なのだろうか?どこから出た話しなのだろうか?

そもそも「重曹が癌に効く」はどこからきた話しなのだろうか??

「重曹で癌患者の命が助かる。」医者シモンチーニの発見

これまで癌とは、何らかの形で細胞遺伝子が変異し、がん細胞化すると考えられてきたが、イタリアの医師であるトゥリオ・シモンチーニ師は「癌は真菌症であり、その菌の正体は、カンジダ菌である。」という今までの常識では考えられないことを発見しました。

その後、癌は真菌であるという事実を証明するために、さまざまな研究や治療を行いました。そして、遂に、重炭酸ナトリウム溶液で癌細胞を洗浄する事により、癌細胞が正常細胞に代わって行くという事実を発見するのです。
ちなみに重炭酸ナトリウムとは、大手ネットショップのamazonでも安く簡単に手に入る重曹の主成分です。

参照元:医学と戦術の女神ミネルバ仲田洋美オフィシャルブログ

シモンチーニといえばがんの世界で知らぬ者はいないでしょうが、がんのカンジダ菌発生説を唱える方ですね。私もすべてそうだとは思ってないですが、非常に示唆に富む説だと思います。

シモンチーニは、ガンが体内のどこにあろうと、あるいはどんな形をとろうと、全てのガンが同じように振る舞うことに気がつきました。そこには共通項がなければならなかったのです。彼はまた、ガンの「しこり」が常に白いことに着目しました。他に白い物とは何だろう? カンジダです。ガンがカンジダという健康な人の体内でさえ少量存在するイースト(酵母)菌に似た有機体によって生じる真菌であることを発見しました。

シモンチーニはこの治療のために簡素なものを見つけました。重炭酸ナトリウムです。そう、馴染み深い重曹の主要成分です。(しかし重曹と同じではないと強調しておく。重曹は他の成分も含んでいる。)彼が重炭酸ナトリウムを使った理由は、それには強力な殺菌力があり、薬物とは違い、カンジダはそれに「適応」することが出来ないからです。

古代エジプト人は、抗真菌物質の治療特性を知っていたし、千年前のインドの書物は、実際にガンの処置には「アルカリが有効」であると薦めています。

一九八三年にシモンチーニは、肺がんで余命数カ月のイタリア人患者ジェンナーロ・サンジェルマーノの処置にあたりました。数カ月後、彼は死ぬことなく健康体に戻り、ガンは消えていたのです。さらなる成功が続き、シモンチーニは自分の研究結果が有効だったことを示すために、科学的見地から公認された治験が開始されることを願って、イタリア保健省にそれを提出しました。しかし、彼は医療の不正操作とペテンをした人物とされることになったのでした。

参照元:るいネット

「重曹がガンに効く」、これはイタリアのシモンチーニ医師の発見からきています。

シモンチーニ氏はガンがカンジダという健康な人の体内でさえ少量存在する酵母菌に似た真菌に関係していることを発見しました。シモンチーニ氏は、免疫系が何らかの原因で弱くなると、今まで免疫で抑制されていたカンジダが活性化し、「カンジダの攻撃から体を守るために細胞を生成している免疫系」が「ガン腫瘍」であるとしました。

そして、この活性化したカンジダを抑制するために有効な物質が、重炭酸ナトリウム(すなわち一般的に言うところの重曹)であることを発見したのです。

ここまでの流れを見れば「重曹水」を飲めば癌に効くと思えます。実際にシモンチーニ氏から由来するこれらの情報は、インターネットを中心に拡散され、「重曹水を飲めば、癌が治る、癌の予防になる」と信じる人が増えたのです。

しかしながら、この「重曹水を飲む=癌に効く」は、あまりにもシモンチーニ氏の治療、研究に尾ひれがついたウワサなのです。

「重曹水を飲む=癌に効く」の誤解

重曹

全てシモンチーニを否定しませんが、尾びれ腹びれがついて一人歩きしているんじゃない?シモンチーニは、ガン細胞に直接噴霧 点滴等での治療だったんじゃない?

ガブガブ飲んだからと言って 癌が無くなるとか、予防になるとは 納得しがたいのだけど??否定も止めたりはしないけど、癌に良いからと重曹水をガブガブ飲んだり(飲んでも適量を)しないでよ。

子宮けい癌の予防になると重曹ビデ洗浄を実践している方が居たので、さすがに説明して止めましたよ!人のカラダに常在するカンジダから膣内を守ってくれるのがデーデルライン桿菌という常在菌。こちらは乳酸菌の一種で、膣内を酸性に保ってくれます。重曹は関係ありません。

カンジタは 身体に悪戯する菌なんだろうけど、自然 身体に良い菌も悪い菌も必要なんだからね。全ては 陰陽のバランスであり拮抗菌なのよ。

参照元:沼部正浩氏のFacebook

トゥーリオ・シモンチーニ博士がガンをカンジダ菌(真菌)の日和見感染と想定して開発した炭酸水素ナトリウム(重曹)療法があります。

因みに、シモンチーニ博士は、消化管には経口投与、直腸には浣腸、膣や子宮には圧注、肺や脳には静脈注射、上気道には吸引、乳房やリンパ節、皮下の腫瘍には局所かん流、さらに、肝臓、膵臓、前立腺、四肢の動脈や、胸膜や腹膜の腔にはカテーテルの挿入で治療に成功し、治療が及ばないのは、脊椎や肋骨のようないくらかの骨の中の場合のみです。

特に、カテーテルを使用した治療法の開発は大きな進歩を生みました。

参照元:水守 啓 (ケイ・ミズモリ) 公式ブログ

シモンチーニ氏の治療、研究において、重曹の口径投与が有効だったという情報は消化管のみです。その他の臓器、器官において「重曹水を飲む」ことが有効であるとする情報はありません。

また第三者による重曹による癌への有効性を検証する追試がマウスの癌細胞で行われましたが、癌細胞への直接噴霧が有効だったとのことで、重曹水を口径投与することとは関係ありません。

上記のことから、「重曹水を飲めば、癌が治る、癌の予防になる」というウワサは、あまりにも尾鰭のついた話しであると言えるでしょう。

重曹水を飲むことの危険性について

昨今、オーガニック、ナチュラル愛好家を中心に健康維持のための重曹活用が注目されています。重曹の還元作用が、様々な現代病、環境汚染に効果的であることから、重曹そのものがオーガニックでナチュラルであるというイメージが先行しがちです。

しかしながら、重曹も人工的に精製された化学物質であることに変わりはありません。わたくし自身も、重曹の還元作用は評価しておりますが、人工生成物であり毒にも薬にもなると考えています。

重曹(重炭酸ナトリウム)は胃液の抑酸剤として使われる医薬品でもある

様々な病気の症状を抑えるクスリと同様に、重曹(重炭酸ナトリウム)も胃酸過多を抑える抑酸剤として知られています。胃酸はとても強い酸性であり、それにより摂取した食物を吸収し易いように溶かす働きがあります。

したがって、その胃酸を重曹で薄めてしまうと消化不良の原因となるので、食前、食後の服用は避けなければなりません。重曹水を飲むことは、元々ある胃酸の働きを阻害する危険性があるのです。

重曹ではありませんが、実際に還元作用のある「アルカリイオン水」の摂取により、病原性大腸菌O-157による感染が以前に話題になりました。胃酸の働きは食物を吸収し易いように溶かすだけではなく、細菌やウイルスの殺菌作用もあるのです。

まとめ

安価で還元作用のある重曹は比較的安全でもあるので、現代社会の解毒的な使われ方に期待が持てます。しかしながら、お伝えしてきたように「重曹水を飲めば癌が治る、癌の予防になる」など、話しに尾鰭がつき、危険が伴うのも確かです。

重曹といえども、人工的に精製された化学物質であり不自然な代物であることには変わりません。そのことを心に据えておきましょう。

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