果物と虫歯の関係
果物には果糖が含まれているので果物を食べると虫歯になるという情報があります。本当なのでしょうか?
何で摂っても果糖は果糖
こないだウチのクリニックのホームページから問い合わせがあり、1歳9か月の子どもがむし歯になったとのこと。1歳9か月でむし歯って、まず滅多に見ないですよ。だってその年齢だと、乳歯が生えてきて1年ほどしか経っていないわけですから。
その子の親によると、僕の記事を前から読んでいて、砂糖は意識して与えないようにしていたとのこと。しかし果物は毎日与えていたそう。僕、甘いものは果物も含め何であれ、一切摂るなっていつも言っているんですけど。要は僕の記事を読んでいないということね。
果物に含まれる糖分の多くは果糖です。果物の糖というくらいですからね。そして果糖は砂糖由来であっても天然の果物由来であっても、体内では同じ働きをします。何で摂っても果糖は果糖であり、害は害なのです。
そういえば、こないだ果物は身体に良いという講習会があったようですね。その主催者が青果の仲卸を営んでいる人だそう。何をか言わんやですね。その講習会に、むし歯になった1歳9か月の子どもを連れていってやりたいものです。なんて言うんですかね?
そもそも果物は身体に良いっていつから言われるようになったか知っていますか?1920年にフロリダのオレンジ農家たちが、豊作で余ってしまったオレンジの果汁を売るために、「新しい栄養」として大々的にオレンジジュースの宣伝を始めたことに始まります。この頃ビタミンが発見され、オレンジには特にビタミンCが多く含まれていることから、オレンジジュースはビタミンCを摂る効率的な方法であり、オレンジジュースは身体に良いと宣伝されたのです。
ちなみにこれは現在Sunkistという会社で知られています。オレンジジュースには大量の果糖が含まれますから、当然むし歯の原因となり、また肥満や糖尿病の原因にもなります。
野菜や果物が身体に良いとされたのも、砂糖研究基金から資金提供を受けた科学者たちが、肥満、糖尿病、高血圧、心疾患、脳血管障害などの疾患の原因を砂糖からそらすために言い始めたことです。加工食品は害で天然のものは身体に良いというのも同じ。砂糖が身体に悪いとすれば、それは砂糖だからではなく加工されているからだ、加工されていない天然の果物は身体に良いのだと。
別に何を言っても構いませんよ。結果が全てを示していますから。天然の果物でもむし歯はできます。肥満や糖尿病の原因にもなります。果糖は何で摂っても果糖であり、身体に対する影響は同じに過ぎません。実際に果物でむし歯になる人がいるのに、それでも果物は身体に良いと言い切れるんですかね?人を騙して金儲けする人間に騙されないように、皆さんも気をつけましょうね。
参照:長尾周格歯科医師のFacebook
引用元では、1歳9ヶ月の子どもに毎日果物を食べさせていたら虫歯になったとのこと。だから、虫歯の原因は果物に含まれている果糖が原因であるとのこと。
これは本当なのでしょうか?
わたしには本当とも極論すぎるウソだとも思えます。
なぜ、ウソだと思うのかと言うと、実際に毎日果物ばかり食べて7、8年も生活しているフルーツ研究家の人がいて、その人は虫歯になっていない様子だからです。また私自身も2017年8月から2018年8月の1年間、果物だけ食べて生活したことがありますが、虫歯や肥満にはなりませんでした。だから、果物あるいは果物に含まれる果糖が原因で虫歯になるとは思えないのです。
ではなぜ、引用元の1歳9ヶ月の子どもは虫歯になってしまったのでしょうか?これはわたしの憶測ですが、常識的に考えて果物以外の食べ物も与えていたと思うので、「果物+α」の食べ合わせが原因だと思います。
上記の考えでは、確かに虫歯の原因の一部に果糖があります。だから、果糖が虫歯の原因であるとも思うのです。
引用元では果糖が含まれている果物を否定されていますが、メリットもあると思います。食物繊維や様々なビタミン、ミネラルが入っていると思うからです。
おそらく引用元の長尾氏もそのことは承知なのではないでしょうか?しかし、ご自分の職業、立場上、果物のメリットや食べるタイミング、食べ合わせについては語れないのではないかと思います。
何にせよ、極論を語り自己正当化している表現は何かしらのそうしなければならない裏事情があるのです。
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