食生活にかかせない砂糖。実は相当危険である。
お菓子やスイーツ、清涼飲料をはじめ、煮物や蕎麦のつゆに使う調味料などなど、砂糖は実に多くの食品、料理に使用されています。もはや砂糖なくしては現代の食生活は成り立たないと言ってもいいくらいです。しかしながら最近では「砂糖は危険」という情報が数多く発信されています。
自分自身も砂糖を絶つことによって虫歯の発生が抑えられたことから、砂糖は危険だと思っています。単純な構造で効率の良いエネルギー源に見え、食品、食卓に甘味という豊かな彩りを与える砂糖。しかしその一方で、虫歯や肥満をはじめ様々な健康を害するリスクも叫ばれており、きちんとした知識を身につけ、砂糖の危険性から身を守る必要があります。
そこで今回は「砂糖の危険性」について触れてみようと思います。砂糖と血糖値およびインスリンの関係、砂糖と悪玉菌の関係をピックアップし、砂糖は危険であるのにどうしてなくならないのか?について書いていこうと思います。
砂糖とはショ糖(スクロース)が主成分の糖であり、スクロースとはグルコースとフルクトースが結合した二糖類である。
人間が活動するための主たるエネルギーといえば、やはり糖質(炭水化物は単糖類と多糖類に分けられる)であろう。我々の日常的な話なのだから、このこと自体は別に間違っていない。植物性食品、特に根菜類(にんじんなど)には糖分が多く含まれているが、日本人は根菜も食べるし、イモ類も食べるし、コメも食べるため、砂糖がなくても糖質過多になりやすい環境にあるといえる。
三大栄養素といえば糖質、脂質、たんぱく質のことだが、体を作る主な栄養素はたんぱく質と脂質だ。エネルギー源は基本が糖質であり、脂肪はそのあとに使われることになる。ここまで書くと、糖の何が問題なのだろうと思うかもしれない。しかし、あらゆる砂糖やブドウ糖(グルコース)は避ける必要がある。砂糖の代わりになる甘味料、たとえばサトウキビ糖、糖蜜、果糖(フルクトース)、コーンシロップ(HFCSなど)なども避ける必要がある。
砂糖を摂ると血糖が上昇するが、その結果、インスリンが放出されるようになり、インスリン放出の山(インスリンスパイク)が発生する。このインスリンスパイクは体のいたるところを不健康にする。インスリンが生成され過ぎると病気になり、体はインスリンへの抵抗力(インスリン耐性)を備えるようになる。そしてインスリン耐性は、インスリンの効果を次第に効きにくくするという弊害がある。
参照元:内海聡医師のFacebook
細胞単位で見れば、よりクリーンでシンプルな低分子の砂糖や果糖が、効率的なエネルギー源に見えるだろう。しかし、私たちの身の回りでは常に微生物の世界が繰り広げられていることを忘れてはいけない。
よりシンプルで低分子な糖質の摂取を習慣化すれば、各組織の細胞に届く前に、その一部がカンジダ菌やミュータンス菌のエサとなってしまい、悪玉菌が増殖するだろう。実際に虫歯を始め、隠れカンジダ症の人は日本人に多い。
精製された糖は人体にとって効率よくエネルギーになりやすい一方で、こうした悪玉菌の増殖にも寄与してしまう。もし無菌世界で生活するなら単糖類や二糖類もいいだろう。しかし、現実はそうではない。
これが、私がいつも言う、細胞単位での話と、カラダ全体での話では全く意味が異なる、これらは一緒くたにしてはいけない、というものだ。
現存する狩猟採集民、遊牧民、漁労民、農耕民などの伝統社会でも、(量は異なるものの)炭水化物を食べていたし、彼らに共通する糖質はでんぷん質の多糖類であり、少なくとも砂糖を摂っている民族は皆無だ(文明社会から購入しない限り)。また、果糖については、かなり低GIな果物から摂っており、そもそも伝統社会で得られる果実は、文明社会で品種改良された果実とはかけ離れたものであった。
文明から砂糖を得た伝統社会では、たいてい健全な歯が減っていた。これは私が世界の先住民、8民族をこの目で見てきた事実である。
参照元:吉冨信長氏のfacebook
テレビ番組、特に民放のテレビというのは、スポンサーからの広告収入で成り立っています。そんなことは皆さん良くご存知でしょう。だって、番組の合間にCMが流れますからね。
僕が著書を出版した際、TBSとテレビ朝日からテレビ番組の出演依頼が来ました。その出演交渉の中で「砂糖の害について話したい」と申し出ると、途端に出演の話は無くなりました。テレビで砂糖の害について話すことはダメなようです。特に砂糖を一切断つことで、潰瘍性大腸炎が完治したなんて、絶対にテレビで言ってはいけないのです。
砂糖はどうして危険なのか?
砂糖という化学物質は、吸収速度が非常に速い物質であり、そのため摂取すると血糖値が急激に高くなります。すると人体は急激に上がった血糖値を下げるために、インスリンを放出するようになります。ところが、これが度々続くと人体はインスリンに対する抵抗力、すなわちインスリン耐性を持つようになり、インスリンが次第に効きにくくなっていくのです。そうなると、血糖値は下がらず糖尿病の発症につながっていきます。
また、幼い子どもは免疫機能がまだ未発達なのでインスリンが放出されすぎてしまい、逆に低血糖になる恐れがあります。そうなると今度は血糖値をあげようとして興奮物質のアドレナリンが放出されるようになります。そして度が過ぎると脳のコントロールがきかなくなり、近年増えてきたキレやすい子どもになるのです。
砂糖と血糖値およびインスリンの関係以外では、悪玉菌の活性化が危険視されます。砂糖はグルコースとフルクトースが結合した二糖類の構造をしており、そのシンプルな構造から効率的なエネルギー源に見えるが、エネルギーになる前に悪玉菌のエサになってしまいます。皮膚や粘膜、局部に炎症を起こすカンジダ菌によるカンジダ症、おなじみのミュータンス菌による虫歯などの発症につながります。
砂糖は危険なのに、どうして野放し状態なのか?
上記のように「砂糖は危険」なのに、どうして野放しにされているのか?それは大きな利権が絡んでいるからなのではないでしょうか?砂糖の危険性を発信している予防歯科医師の長尾周格歯科医師は、著書の出版に際してテレビ局から出演の依頼がきたそうですが、「砂糖の害について話したい」と申し出たところ、、途端に話は白紙になったそうです。テレビには製薬会社、食品会社などの大きなスポンサーが必要であり、利権が絡みます。芸能界でも砂糖の害、危険性の発信はタブーだと聞きます。
砂糖をやめてみて感じたこと
私自身の経験からも、砂糖を絶つことで虫歯の発生が抑えられたことから、砂糖は危険だと思います。糖質制限が話題の昨今ですが、まずは砂糖からやめてみるのをお勧めします。「砂糖は合法麻薬」と言われるほど依存性が高く絶つのは難しいですが、虫歯をはじめ体調が優れず悩んでいる人は挑戦してみるのもよいでしょう。
2018年5月6日 追記
製糖業界が研究者に砂糖は安全といわせるため買収
買収は1967年に起きた。カリフォルニア大学の研究者が砂糖協会のアーカイブ文書から、総額5万ドルの買収の事実を発見した。
砂糖研究財団(現在の砂糖協会)がハーバード大の研究者3人を買収し、心血管疾病(CVD)と多様な食物摂取に関する多数の科学論文公表していった。
金銭と引き換えに研究者らは心疾患促進への砂糖の役割を過小評価し、飽和脂肪酸の役割を過大評価した。
今回の論文の共著者の1人、カリフォルニア大学のステントン・グランツ教授が次のように説明した。
「彼らは数10年間にわたり、砂糖の害についての議論を押し殺すことができた」
参照元:sputniknews
先に、テレビでは砂糖の害について話すことは許されない、ということを書きました。大きな利権が絡んでいるためです。
日本ではなくアメリカの話ですが、砂糖研究財団(現在の砂糖協会)が大学の研究者を買収し、砂糖の影響による心疾患の増加をもみ消していたそうです。
砂糖は危険であるにもかかわらず、大きな権力が「砂糖は安全」と嘘を言わしめているのです。
2018年5月13日 追記
砂糖と文明
先住民訪問の時、おみやげにアメ玉とタバコなどを持っていくんだけど、、、
食事の9割がサツマイモであるニューギニア高地人ダニ族にしても、高脂肪高タンパクのマサイ族やダドガ族にしても、狩猟採集民ハッザ族にしても、モンゴル遊牧民にしても、、、
アメ玉を渡したときの食いつきは半端なかった。1つあげても、また1つ、また1つと、クレクレが始まった。
この時、改めて砂糖の依存性を垣間見ることができた。
ナッツをあげても、ここまでの食いつきはないんです。
同民族でもピンからキリまでいるから、ファミリーによっては文明の波に押されてるところはあって、そういうところは実際にお菓子やジュースなどの近代食も少しばかり取り入れており、よく見るといくつかの歯がなくなっていたり、肥満化していたりとすぐにわかるんですよね。
つまり、個々のそもそもの代謝異常だけでは説明できない、精製された食による崩壊がそこには少なからずあった。その代表がやはり砂糖なんですよね。
砂糖を欲しがるのは、代謝云々の前に、その依存性による脳への報酬系の凄まじさにあるんです。まさに現地で改めて麻薬だと感じましたよ。
参照元:吉冨信長氏のFacebook
実際にまだ砂糖が入り込んでいない先住民の文化圏に砂糖が入った飴玉を持っていくと、次から次へと「もっと飴玉が欲しい」と催促があるようです。
砂糖が極めて依存性の高いものであることがわかります。更にすでにお菓子やジュースが入り込んでいる生活圏では歯がなかったり肥満が目立ったりするようです。
砂糖がいかに人間の健康を蝕んでいるのかが分かります。
2018年6月3日追記
医学、栄養学の論文は特定の企業、団体に操作されている。
医学系や栄養学系の論文について考察するときは注意を要します。なぜならこれらの分野では、特定の企業や団体の思惑や意志が強く働くからです。
砂糖産業は1943年に砂糖研究基金(Sugar Research Foundation:SRF)を設立しました。砂糖研究基金は研究機関や研究者に莫大な資金提供を行い続けてきました。そして研究者や研究機関の協力を元に、砂糖は安全であり、摂取を推奨するような広報宣伝活動を行ってきました。その論理的根拠となる論文も、砂糖研究基金の主導によって作られてきました。
また医学においてはマーシャ・エンジェルの著書「ビッグ・ファーマ」にも示されているように、医学研究は製薬会社主導で行われています。当然製薬会社の利益に沿う形で研究が行われてきました。
このようにして生み出されてきた論文だけをいくら集め、そのエビデンスレベルを比較しても、本質的な答えは見つかるはずもありません。そして砂糖産業や食品産業、製薬業界にとって不利益となる研究はそれ自体が行われないことが多々あり、結果として生み出される研究には非常に偏りが生じでしまいます。
結局エビデンスベースの理論というのは、その研究のスポンサーとなる企業や団体にとって都合の良いものになってしまうのです。これを踏まえてなお、エビデンスを客観的に考察できるようになれば、物事の本質の一端を見る目を持つことができるでしょう。
医学、栄養学の科学論文は特定の企業や団体の思惑が働いています。砂糖業界も例外ではありません。
砂糖産業は1943年に砂糖研究基金を設立し、研究機関や研究者に莫大な資金提供を行い続けてきました。勿論、砂糖が安全であるという結論ありきの研究を行い、論文をつくるためです。
砂糖産業や食品産業、製薬業界にとって不利益となる研究はそれ自体が行われないことが多々あるようです。したがって、いくら論文を集め、精査しても端から偏りが生じているので意味がなく、砂糖が危険であるというデータは出てこないのです。
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甘いもの中毒 私たちを蝕む「マイルドドラッグ」の正体 (朝日新書)