【小麦 危険性】グルテンに含まれるたんぱく質「グリアジン」からみる小麦の危険性について

小麦危険 グリアジン

グルテンフリー、糖質制限などが流行っていますね。近年、急速に小麦が危険視されるようになってきました。確かに日本の食生活は炭水化物過多であり、その他の栄養素、ミネラルが不足しがちですが、なぜ小麦、グルテンが危険なのでしょうか?

当ブログでも小麦の危険性に着目し、以下の記事を過去に書きました。

糖質制限、グルテンフリーなどのキーワードを目にするようになり、わたしたちの食事に馴染みのある食材「小麦」が危険なのでは??と言われるようになっています。 当ブログでも「小麦 危険」の視点から、「小麦が危険なのではなく、人間が小麦の危険をつくっている」という内容の記事...
毎日何らかのかたちで小麦を食べているが、小麦が危険であると言われ出した パンやパスタ、ラーメン、うどんをはじめ、ケーキやクッキーなどの菓子類、あるいは揚げ物のころもなど日常には小麦を使った食品があふれています。日本に暮らしていて「今日一日、小麦をまったく食べていない...

現代の「小麦危険」というキーワードは、「小麦が危険」なのではなく、「小麦の危険性を人間が作っている」という事実を強調してお伝えしてきました。

小麦の危険問題の一つとして農薬問題があります。日本は食料自給率が低く、小麦も例外ではありません。そのため海外輸入に頼っていますが、輸入ものの穀類、柑橘類には長期輸送、保管のためポストハーベスト農薬と言われる、防腐剤、防かび剤、防虫剤の散布が義務付けられています。これらの農薬は収穫後に散布されるものであり、特に日常の必須アイテムともいえる小麦にはより多く散布され、栽培中に散布される農薬より毒性が強いと言われています。最近はパン屋さんなどで、このポストハーベスト農薬を避けるために、こだわりの国産小麦を使うお店も増えています。

また、品種改良による小麦の改造問題もあります。化学肥料の開発、使用拡大により、小麦は大量生産されるようになりました。より多くの栄養を摂取した小麦は、穂が重くなり倒れるようになりました。そのため、背の低い小麦を開発しましたが、過度の品種改良により、もはや小麦というより「小麦のような別のなにか」に改造され、食べたら危険な、不自然な食べ物になってしまいました。

更に、小麦以外の農作物も大量生産されるようになり、そのため家畜用の穀物飼料も安価になり家畜も大量生産が可能になりました。小麦というのは様々な食品とセットで加工、食されます。小麦以外の作物、家畜も大量生産のため小麦同様に改造されていきます。そしてそれらは小麦とセットで食べられるので、「小麦の危険」というのは他の食品の危険も相乗され、より危険になるのです。特にサトウキビ、砂糖の大量生産は大きな影響となったと考えられています。

少々長くなりましたが、現代の小麦の危険性とは上記のような感じで、それは元々小麦は危険なのではなく、人間の都合で危険を作りだしたと言えるでしょう。

そこで今回は、化学肥料が誕生した後に誕生した「半矮性種 小麦」、それに含まれる「グリアジン」というタンパク質からみた「小麦の危険性」について書いてみたいと思います。

小麦

今私たちが普段口にする小麦粉製品は半矮性種という、品種改良という名のもとに行われた遺伝子操作された小麦だ。遺伝子組換えという言葉が一般消費者に根付く前から、もうすでに小麦は遺伝子操作がされてしまっていた。

その半矮性種には元々の古代小麦にはなかった(もしくは少なかった)グリアジンというたんぱく質が含まれている。この半矮性種の小麦が開発された背景には、「緑の革命」がある。

緑の革命とは農業革命の一つであり、1940年代から1960年代にかけて高収量品種の導入や化学肥料の大量投入などにより穀物の生産性が向上し、穀物の大量増産を達成したことを指す。

在来品種といって1960年代以前に食されていた小麦は背が高く、生産量をあげるために肥料を沢山あげても、倒伏という状態になってしまい、逆に生産量が下がってしまう。

そこでボーローグらによって開発され導入されたのが、高収量品種という、人工交配や遺伝子操作を繰り返して作られた、古代小麦よりも背が低いため穂に影響が出ないという半矮性種の小麦だった。

ロックフェラー財団が主導したこの「緑の革命」は大規模な自然破壊をもたらしたと同時に、土地の持つ許容量を超える生産を強いたために、土地が疲弊し、過剰な肥料や農薬による大規模な汚染や、地下水をくみ上げ過ぎたために井戸が枯れたり、水中に含まれる塩分が濃縮されたことによる塩害の発生、高すぎる設備や運営維持によりやがて維持をすることができなくなってしまった農地が放棄されたりといった深刻な問題があとになって発生した。

地域の農業が破壊され、遺伝子組み換えの種子に依存せざるを得なくなった後進国にたいする農業支配が進んだ。

しかし、緑の革命の問題はそれだけではない。人々の健康にも重大な問題があると指摘する声がある。遺伝子組み換えの結果「元々の古代小麦にはなかった(もしくは少なかった)と言われる、グリアジンというたんぱく質の問題が指摘され始めている。

そのグリアジンの問題を訴え始めたのは、Wheat Belly(「小麦は食べるな」という邦訳も出版されている)ベストセラー本の著書、循環器専門医のウィリアム・デービス医師。

このグリアジンを多く含む小麦は精製された砂糖よりも血糖値を急激に上げ、その代謝物が血液脳関門をすり抜け、モルヒネ受容体にくっつき、麻薬と同じ反応を起こす事が研究の結果分かっているそうだ。

さらにグリアジンには、腸内粘膜細胞の破壊、免疫刺激、腸管壁の浸透性の悪化(リーキーガットを促進)、炎症促進という作用もあるそうだ。

デービス医師は(現代の)小麦粉を『中毒性のある毒物だ』と言い切る。彼自身が患者2000人に「小麦抜き生活」を実践させたところ、病気、疾患の全快など、著しい改善がみられたという。

緑の革命は肉体破壊をも、もたらしたのだ。参考リンク 「なぜ小麦を食べちゃいけないか」

参照元:るいネット

半矮性品種の小麦に含まれる、古代小麦には見られなかった「グリアジン」というタンパク質

小麦粉

以前お伝えしたとおり、小麦の大量生産には化学肥料の開発が関係しています。化学肥料には窒素固定という科学技術が必要ですが、戦中は火薬を作るのに窒素固定技術が使われました。そして戦後から窒素固定技術は化学肥料作りに移行していきます。

大量に化学肥料を投入した結果、小麦の穂は重くなり、「倒伏」という「穂を支えきれなくなり倒れてしまう状態」になってしまったので、人工交配や遺伝子操作を繰り返し、背の低い倒れにくい「半矮性種の小麦」が誕生しました。ちなみに、開発には「日本の半矮性品種小麦農林10号」が用いられたとのこと。

そして、人工交配や遺伝子操作が繰り返された「半矮性種の小麦」には、元々の古代小麦には見られなかった「グリアジン」というタンパク質が含まれるようになりました。

グルテンに含まれるたんぱく質「グリアジン」について

グリアジンとはグルテンを構成するたんぱく質です。グルテンは、グリアジンとグルテニンというたんぱく質で出来ています。グルテニンは弾力に富むが伸びにくい性質を持ち、グリアジンは弾力はないが粘着力が強くて伸びやすい性質を持つそうです。

『小麦粉は食べるな』の著者ウィリアム・デイビス氏によると、1960年代のグリアジンと2012年のグリアジンは構成するアミノ酸が違っているそうです。品種改良という名の元で行われた遺伝子操作が原因ではないかとうい事。

またグリアジンには消化器官の中で『Exorphins』と呼ばれるポリペプチドに変化し、それが血液脳関門をすり抜け、オピオイド受容体(モルヒネ受容体=そこにモルヒネがくっつくと体に変化が現れる鍵穴のようなものです。)にくっつくことで、食欲を刺激する事で、更に食べたくなる、お腹がすくと錯覚させるそう。この『Exorphins』といわれる物質はアヘンのような作用があると言われ、中毒症状を起こしやすいと言われます。

このグリアジンですが、食欲の増進や中毒症状だけではなく人をハイにもさせてしまうので、特に小さい子なんかはそれがADHDのような症状となって現れたり、自閉症のような症状となって現れたりします。はたまたうつのような症状や、統合失調症のような症状として現れる事も。

だから自閉症児やADHDの子供は必ずグルテンフリー、カゼインフリーダイエットを試させる訳ですね。ある一定の効果はのぞめますが、やはりガット(消化器官=胃腸)が要ですので、ガットトリートメントは欠かせません。

さてこのグリアジン。グリアジンに対してアレルギ-を持つ人は、体がこのグリアジンに対して抗体をつくります。そのグリアジンに対する抗体は、神経組織にくっついてしまい、神経障害を起こしやすいと。また喘息持ちの人。やはりこのグリアジンが関わっている事が多いそうです。

アレルギ-持ちは基本的に、小麦粉、乳製品、大豆は極力避けた方がいいです。完璧に避けろとは言いませんが、せめてお家の中では避けるようにするとかオススメです。大豆は発酵ものは大丈夫な場合が多いですが、そのままのもの、豆乳なんかは、アレルギ-持ちの人はやめておいた方が賢明です。

参照元:ナチュロパスなみのHealthy Life

小麦のグルテンには、「グリアジン」と「グルテニン」というタンパク質が含まれています。このうち「グリアジン」は、1960年代以前、つまり「緑の革命」「化学肥料大量投入による大量生産」「過度の人工交配、遺伝子操作」より以前の背の高い古代小麦に含まれているものと、現代に見られる背の低い「半矮性種の小麦」に含まれているものとでは、構成するアミノ酸が異なっているようです。

現代の小麦が様々な病気を引き起こす危険性があると考えられている背景に、このグリアジンを構成するアミノ酸の変化が原因の一つなのではないでしょうか??

また、このグリアジンは消化吸収の際、「Exorphins」と呼ばれるポリペプチドになり、中毒症状を引き起こすそうです。わたしもそうなのですが、パンやパスタなどの小麦加工製品は、食べても食べても、すぐにまた食べたくなってしまいますが、その原因がこれに当たると考えられます。

さらにグリアジンは、人間の精神状態をハイにさせる覚醒作用もあるようで、子どもは特にADHD、自閉症の危険性が指摘されています。アレルギー作用もあるようで、パン屋さんの方で喘息持ちの人が見受けられるそうですが、この現代の改造された危険な小麦に含まれるグリアジンが原因なのではないか?とのこと。グルテンアレルギーの原因は、改造された現代の小麦に含まれるタンパク質である「グリアジン」、それを構成するアミノ酸の変化が原因かもしれませんね。

まとめ

小麦は元々危険な食べ物ではなく、「小麦の危険性を人間がつくっている」と、当ブログでお伝えしてきましたが、現代の危険な小麦の原因の一つに、度重なる人工交配、遺伝子操作(品種改良であり、遺伝子組み換えではありません)を指摘しました。

それにより、小麦のグルテンに含まれているタンパク質「グリアジン」、それを構成するアミノ酸が、昔の古代小麦のものとは違ったものになり、中毒性、覚醒作用、アレルギーなど、現代病、慢性疾患の原因の一つになったのではないでしょうか?

小麦は我々現代社会人の生活に非常に密着した食品です。小麦なしの食生活は難しいと思いますが、徐々に食べる量を減らしたり、質を見直したりしなければならない時代なのかもしれません。

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