天然菌、自然栽培の大豆と小麦を使った醤油(しょう油)「蔵の雫」

蔵の雫

肥料も農薬も使っていない大豆と小麦で醸造された醤油(しょう油)を購入しました。「蔵の雫」という商品です。スーパーやコンビニ、100円ショップで売られている商品と比べると、本格派で値段もそこそこします。

蔵の雫

蔵の雫

安い醤油は危険性が高いです。醤油は麹菌による自然発酵で長期間の熟成が必要ですが、安い醤油は効率化を優先するので人工的に培養された麹菌によって脱脂大豆(大豆のカス)を使って短期間で作られます(新醸造醤油)。

また原料の大豆、小麦の質も悪いです。ほとんどが海外から輸入されたものです。輸入大豆と輸入小麦は倉庫での長期保存や輸送の関係で収穫後に防腐剤、防かび剤、防虫剤が散布されています。また大量消費生産向けに遺伝子組み換えされたものや、過度の不自然な品種改良の心配もあります。安い醤油は危険であるといえるでしょう。

こちらに詳しく書いてありますので、興味のある方は是非読んでみてください。

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自然栽培大豆、小麦を使った蔵付き菌による天然醸造の醤油「蔵の雫」

蔵の雫

蔵の雫誕生秘話

2008年の2月。ついに純粋培養の菌にたよらない麹菌と、自然栽培の原料を使った醤油「蔵の雫」が誕生しました。静岡県掛川市の栄醤油醸造がリスクを承知で取り組んでくださってから2年。化学物質を極限まで使用せずに自然の素材と天然菌を活かした醤油が誕生したのです。これは古くて新しい伝統なのです。

発酵食品は微生物の力によって造られます。その醗酵の源となる菌が化学的な純粋培養をされているという事実が発覚した2002年。臨床環境医の三好基晴氏に指摘され、実際に当時取引していた蔵元ひとつひとつに確認すると、「麹菌メーカーから買ってる」とのこと。その菌はどのように造られたものか分からないというのです。

天然菌の味噌「蔵の郷」、お酢の「蔵のお酢」と商品化が進む中、天然麹菌による醤油の復活が待ち望まれました。実はこの「蔵の雫」は栄醤油醸造が取り組む以前に、他の蔵元が取り組んでくださいましたが、技術的に難しく断念したという経緯があります。

醤油を仕込むときに使う杉桶は、それぞれの桶に癖があるといいます。通常はいくつかの桶の醤油を旨くブレンドして味を調えています。特に発酵がうまくいかない桶が発生したときなどは、複数の桶の醤油を混ぜ合わせる技術がポイントになるそうです。

しかし、当時十分な原料が無かった天然麹菌での醤油作りは1桶からのスタート。純粋培養菌を使用して造られた醤油と混ぜることは出来ません。ところが、初めての天然菌醤油は成功といえる発酵が得られなかったのです。蔵元でも如何ともしがたいことでした。杜氏としても初めての試み。損失も大きく、この蔵元は今後もう取り組むことは難しいという見解でした。そんな中、天然菌による醤油造りは、一旦頓挫してしまったのです。

そもそも天然麹菌による発酵の技術は、室町時代頃より戦後しばらくは残っていました。しかし、純粋培養は千葉県にある野田醤油(現キッコーマン)が導入実現した画期的な方法。天然麹菌による発酵はどこか逆戻りという認識もあるようです。

再度、蔵元を探すところからのスタート。そこで手を挙げてくださったのが、静岡県掛川市の栄醤油醸造でした。2005年秋に、栄醤油醸造を尋ねました。栄醤油醸造は、江戸時代から続く7代にわたる醤油の蔵元。もともとは遠州掛川に三河からやってきた刀鍛冶の家でした。

7代目の深谷さんは飄々とした風貌ながらも、頑固な職人気質を持った方。通常は自分たちが造る醤油以外に、外部からの依頼を受けることはないとおっしゃっていました。

ひざを付き合せて話こと数時間。発酵食品の純粋培養菌による問題。野菜にも腐る野菜と枯れるものがあること。いい素材であればいい発酵をするのではないかということ。つまり発酵は素材に左右されるのではないか? という私たちの仮説。それまでにも味噌やお酢など、これまで天然菌による発酵食品を生み出していることをお伝えしました。

そしてなにより、無農薬原料を使っていても、少しの添加物があるだけで食べることのできない方がいるということ。化学物質の及ぼす複合的な汚染について。食に携わる仕事をする以上、我々の使命はより自然なものをつくり届けることではないのかということ。話を進めていくうちに、共感してくださる部分が出てきたのか、うなづいてくださる瞬間が増えました。

その日は「一応前向きに検討します」という深谷さんの言葉を受け取り、話は終わりました。

私たちとしては50年ぶりのこの取り組み、日本にはなくてはならないこの天然菌による醤油作りを、是非、栄醤油醸造さんに復活させていただきたいとお伝えし、お別れをしました。

その後しばらくして深谷さんからお電話がありました。
「杜氏や家族ともいろいろ相談しましたが、取り組むことにさせていただきます。ただし、自然栽培の原料は全て買い取らせてください。ナチュラル・ハーモニーさんの委託としてではなく、私たちの醤油として職人のプライドに掛けて取り組みます」

その深い思いに返す言葉がありませんでした。
蔵元とすれば、今まで純粋培養の麹菌を使っていた蔵で天然の麹菌を使うというのは、もともと蔵に棲む菌の癖も変わるかもしれない大変リスクのあることなのです。

しかし栄醤油醸造には、代々続いてきた杉桶がある素晴らしい蔵。蔵の柱や梁など、いたるところに麹菌や酵母などの天然の菌がビッシリついています。訪問したとき桶を見せていただいたのですが、桶を上から見るために上る梯子にまで菌がついてどこかしっとりしています。これなら間違いないと確信できました。

そして2006年2月、ついに第1回の仕込みが行われました。自然栽培の大豆と小麦、内モンゴルの自然湖塩、地下水……。そしてマルカワみその天然麹菌。これらの素材だけを使って世紀の取り組みが始まったのです。

マルカワみその天然麹菌は、味噌造りに使われてきた麹菌。これが醤油でうまくいくかどうか不安がありました。仕込んでからしばらくして、深谷さんから電話がありました。どうやら麹菌の状態があまりよろしくないとのこと。しかし、2、3日すると麹菌が動き出したと連絡が。どうやら純粋培養菌とは動き出すタイミングが違ったようでした。

「天然菌はゆっくり発酵し始める」ということは初めての経験。そんな手探りの中でも栄醤油醸造のみなさんは本当によく取り組んでくださいました。早いものなら、半年あまりで仕上がってしまうこともある醤油。栄醤油醸造では、味が十二分に乗るまで出荷していただけません。

「やっと搾れそうだ」と深谷さんから電話があったのが2007年秋。仕込んでから2回の夏を越えた長い道のりの末、やっと完成したのです。

現在では栄醤油さん自ら、毎年栄醤油の蔵で麹菌の自家採取に取り組み、その麹菌で蔵の雫を仕込んでくださっています。蔵の雫は、酸味と旨味と奥行きに余韻があり他にはないクリアな美しさがあります。今のような純粋培養の麹菌が普及する昭和30年代以前は天然菌の醤油があったのでしょう。しかし醤油作りが始まったとされる室町時代の頃は、小麦や大豆は肥料を入れて育てるのが普通なこととなっていました。

そういった意味でも、この蔵の雫は、肥料農薬使わない自然栽培の大豆や小麦を使った天然菌による日本初、いや世界初の醤油なのかもしれません。

参照元:naturalharmony 天然菌の発行食品

※「純粋培養菌」と聞くと、「人為的な操作を加えず、自然な状態で培養した菌」と思われる方もいるかもしれません。わたしはそのように思いました。しかしながら、「純粋培養菌」とは「天然菌」の対義語にあたるもので、種菌メーカーが開発した、効率優先のためにアミノ酸やビタミン剤などを使って培養した菌のことです。

蔵の雫の大豆と小麦は、国内で生産された肥料も農薬も使用しない自然栽培によるものです。

醤油のおもな原料である大豆、日本の国内自給率は低く、ほとんどが海外からの輸入に頼っています。輸入ものは、防腐剤、防虫剤、防かび剤の散布が法律で定められいます。また、遺伝子組み換えの大豆の輸入も認められており、さらには醤油の原料に遺伝子組み換え大豆が使用されていても、JAS(日本農業企画)は表示の義務はないとしています。貴重な国内産の大豆と小麦、さらにその中でも肥料も農薬も使わない、有機栽培でもない、自然栽培の大豆と麦で醸造された醤油は極めて数が少ないのです。蔵の雫は脱脂大豆(大豆のカス)ではなく、国内産自然栽培の丸大豆を使用しています。

蔵の雫は脱脂大豆(大豆のカス)ではなく、国内産自然栽培の丸大豆を使用

醤油の原料表示を見たことはありますか?スーパーやコンビニ、100円ショップで売られている安い醤油、それらには「脱脂大豆」と表記されているものがあります。脱脂大豆とは大豆に含まれている油分を取り除いた大豆の残りカスのことです。油分を抽出する際にノルマヘキサンという化学薬品を使います。ノルマヘキサンは石油系の溶剤でガソリンに多く含まれています。脱脂大豆を使うことで醸造時間が短縮でき、コストの削減にもなるので安い醤油が誕生するのです。しかし、そのような不自然な人為操作を経た醤油は本物の醤油なのでしょうか?蔵の雫は、丸大豆(加工のない大豆そのもの)、さらには国内産の自然栽培の大豆で醸造された自然な醤油です。

蔵の雫の塩は環境汚染のない内モンゴル自治区の「天日湖塩」を使用

塩は醤油を醸造するのに必須の原料です。精製塩という言葉をきいたことはありますか?スーパーやコンビニ、100円ショップで売られている安い食塩、食卓塩は精製塩です。精製塩は純度ほぼ100%の塩化ナトリウムのことで、イオン交換膜法という技術により化学的に製造されます。そのため自然塩に含まれている人体に必須のミネラルを含む微量のミネラルはすべて除去されており、精製塩を摂りすぎることで人体の恒常性は乱れ、血圧が上がり、様々な生活習慣病の原因になります(精製塩の危険)。蔵の雫に使われている塩は、内モンゴル自治区で作られた天日による湖塩です。環境汚染のないヒマラヤの伏流水で溶かし出された岩塩が再結晶したものを、そのまま採取した粗塩であり、塩化ナトリウム以外のミネラルを含んだ自然塩です。

蔵の雫は蔵に棲む天然菌を使って長時間の熟成により完成する

現在売られている醤油のほとんどは人為的に培養された「純粋培養菌」の麹菌を使っています。菌を培養し安定して供給できるメーカーが存在し、蔵元はその純粋培養菌を購入し醤油を作るのです。人為的に培養された純粋培養菌を使うことで効率的かつ短時間で仕上げることができるようになります。早いものだと3カ月で出来上がるそうです。蔵の雫は純粋培養菌を使っていません。天然の麹菌と蔵に棲む他の菌により醤油が作られます。醸造期間も1年半かけ、じっくり熟成させます。自然の力を活かした、醤油本来の醸造といえるでしょう。

蔵の雫は塩素消毒されていない天然の井戸水を使用している

わたしたちが普段使っている水道水は塩素で消毒がされており、発癌性物質のトリハロメタンの危険性もあります。更には古くなった水道管から溶解する有害物質の心配もあり、そのためホームセンターなどでは蛇口に取り付ける家庭用の浄水器が数多く普及しているのです。蔵の雫は製造元の敷地内に掘られた地下100メートルからくみ上げる天然の井戸水を使用。もちろん塩素消毒していない天然水です。

蔵の雫は肥料も農薬も使用しない自然農法で有名なナチュラルハーモニーが運営する「ナチュラルハーモニー 下馬本店」で購入しました。

  • ナチュラルハーモニー 下馬本店
  • 〒154―0002 東京都世田谷区下馬6-15-11
  • TEL 03-3418-3518
  • 11:00~20:00(平日)10:00~20:00(土曜) ※日曜定休
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ネットショップ大手の「楽天市場」でも購入することができます。良質な本物の商品が手軽に購入できるのはありがたいですね。値段はそこそこしますが、これが高いか安いかは人それぞれでしょう。200mlと900mlの2種類あります。


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現代社会は、効率化、大量消費生産優先により時間に追い詰められ、ものが溢れかえり、飽和状態なのかもしれません。安くて健康に悪い商品がたくさんあります。しかしながら、質にこだわった本物の商品も増えてきているのも事実です。食に対する安心、安全、それを見直す時代とも言えるでしょう。少しづつでも良質な商品の需要と供給が伸び、健康な日々を送れたら嬉しいですね。

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