わらに包まれた納豆を初体験
わらに包まれた納豆を初めて食べました。このわらの部分は正式には「わらづと」と呼ぶらしいです。コンビニやスーパーではパック詰めされた納豆しか見ることができません。都会育ちの方はわら納豆を見たことがない人も多いのではないでしょうか。というより、本来、納豆はわらに包まれているものだと知らない人もいるかもしれません。
わら納豆は初体験だったので、どのように中身を取り出すのか?疑問でしたが、解説書が付いています。初めてでも容易に納豆を取り出すことが出来ました。
小粒の人為操作された納豆が主流ですが、大粒の大豆本来の大きさ。濃厚な納豆の香りがたまりません。希少価値の高い、肥料も農薬も使用していない「自然栽培大豆」です。
なぜ、「わら」なのか?
そもそも納豆とは、大豆を納豆菌で発酵させた発酵食品です。蒸した大豆に納豆菌を付着させ、発酵させることで出来上がります。伝統的な納豆づくりでは、蒸した大豆をわらで包み込みますが、それは天然の納豆菌が元々わらに棲んでいるからです。
しかし現在では、納豆菌は人為的に培養され、それを蒸した大豆に振りかけることにより、納豆を効率良く生産します。したがって効率の悪い、天然納豆菌によるわら納豆は、淘汰され、極めて希少なものとなりました。
一昔前は、どこの農家でも冬になると自家製の納豆をつくっていたようです。歴史の上では定かではありませんが、すでに縄文時代には大豆が伝来していたらしく、弥生時代の住環境において、床に敷き詰められていたわらが、大豆と自然反応して納豆が誕生したのではないか?と言われています。
製造元の株式会社フクダ、工業製品から、天然わら納豆へ
面白いのが製造元であるフクダ。株式会社フクダの福田良夫氏は、元々工業製品を製造する会社を経営していましたが、ある日奥さんが買ってきた「昔ながらのわら納豆」にとりつかれ、誰も真似できないであろう「天然わら納豆」を作りだした、とのこと。
工業製品と納豆、あまりにも畑違いなのでは?と誰もが思いますが、「安心、安全をユーザーに届けることへの追及」は、工業製品も納豆も同じであり、むしろ食品に関しては安心、安全が軽視されていたことに驚いたとのことです。
あなたは本物の納豆を食べたことがありますか?
人気の納豆 しかしその実態は?
味噌や醤油に並ぶ、日本の伝統的な発酵食品、納豆。インターネットやスーパーでは、いろんな種類の納豆が所狭しと並んでいることからも、人気の食べ物です。中には稲わらに包まれた納豆もあり「昔ながらのおいしい納豆だなぁ」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そう、納豆は自然の食べ物。しかしその現実は、稲わらに包まれた納豆でも、純粋培養された納豆菌で造られたものがほとんどだというのをご存知でしょうか?
天然菌と純粋培養菌
納豆といえば、ほんの数十年前までは冬の間の保存食として、どこの農家でも閑散期に作っていました。
しかし、現在では効率優先のために、ほとんどの納豆では種菌メーカーから購入した菌で作られています。これはアミノ酸やビタミン剤などを使って純粋培養した菌。なかには目的の機能を持つように遺伝子を紫外線やX線、ガンマ線などの放射線または重金属により突然変異を誘発した遺伝子操作菌まであります。また、納豆菌を培養するために、肉エキス・ポリペプトン・酵母エキスなどを使っている場合もあります。
そんな納豆菌を大豆にふりかけて作った納豆が、たとえわらに入れられていたとしても、単なる容器にすぎません。本来の納豆は、稲わらの納豆菌が醸すものなのです。
国内自給率5%の大豆
また、原料の大豆はどうでしょうか? 実は大豆の国内自給率は5%といわれ、そのほとんどを海外からの輸入に頼っています。輸入原料は長期保管や輸送中の害虫やカビ、腐敗による品質低下を防ぐために薬剤処理がされていることがあります。また、国産のものでも、農薬と肥料が多くに使われているというのが現状です。
その他に、現在の日本では遺伝子組み換えの大豆の輸入も認められています。しかし、JAS(日本農業企画)では、加工品の原料にそれらが使われても表示する義務がありません。醸造の過程で組み込まれたDNA、またはこれによって生じたタンパク質が分解され検出されないというのが理由だからです。
復活をとげたわら納豆
そんな中、「子供の頃に食べた昔ながらの納豆の伝統をなくしてはいけない。後世に残そう」と、伝統的なわら納豆を復活させたのは、栃木県真岡市にある株式会社フクダ。以前は電子機器部品を製造していた会社として名を馳せていました。
代表の福田良夫さんは、「人が喜ぶ昔ながらの美味しいものを作りたい!」と、純粋培養の納豆菌には頼らない昔ながらのわら納豆つくりを社運を掛けて取り組みます。天然の納豆菌は純粋培養された納豆菌と違い、冬以外には作ることが困難。しかし、「モノつくりのプロ」として試行錯誤を繰り返すこと3年。天然のわらに棲む納豆菌だけで1年通して納豆が作れる技術を開発し、2008年にはついに昔食べた「天然わら納豆」を完成させたのです。
復活を遂げたその「天然わら納豆」に「豆うまか」が登場したのは、それから2年後のこと。それまでは、有機栽培の大豆を使った天然わら納豆を販売していましたが、自然栽培に取り組む農家も徐々に増え、それが納豆の原料に使えるようになりました。
肥料も農薬も使わないで育った自然栽培大豆と天然の納豆菌が作り出した、究極のわら納豆。しっかりとした食感と今だかつてないおいしさが味わえます。これを食べずには納豆は語れません。
※「純粋培養菌」と聞くと、「人為的な操作を加えず、自然な状態で培養した菌」と思われる方もいるかもしれません。わたしはそのように思いました。しかしながら、「純粋培養菌」とは「天然菌」の対義語にあたるもので、種菌メーカーが開発した、効率優先のためにアミノ酸やビタミン剤などを使って培養した菌のことです。
ナチュラルハーモニー「結市場」
天然わら納豆「豆うまか」は、肥料も農薬も使用しない自然農法で有名なナチュラルハーモニーが経営する自然食品店「結市場」で購入しました。
場所は、銀座です。
- 結市場(ナチュラル&ハーモニック銀座)
- 〒104-0061 東京都中央区銀座1-21-13
- TEL 03-3562-7719
- 11:00〜21:00(日曜定休)
100グラム、926円の超高級納豆
わたしが購入した「天然わら納豆、豆うまか」は、100グラム、926円でした。一般的な納豆と比べると極めて割高と言えるでしょう。
正直なところ、毎日この天然わら納豆を食べ続けるのは金銭的に難しいです。しかしながら、脱効率化による「本物の追及」を考慮するなら、このような価格設定もおかしくはないのだと思います。普及すれば価格も徐々に安くなると思います。
「人+良+物=食物」、「人+良+事=食事」です。「食」とはもっと神聖なものだったのではないいでしょうか?人間は食べたもので構成されていると言っても過言ではありません。「頂きます」とは、犠牲になってくれた万物の生命を頂くことです。
現代社会は、効率化、大量消費生産優先により時間に追い詰められ、ものが溢れかえり、飽和状態なのかもしれません。食に対する安心、安全、それを見直す時代とも言えるでしょう。
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