妻子6人殺害 被告に死刑求刑 検察「執拗かつ残虐極まりない」
茨城・日立市で妻子6人を殺害し、その後、記憶喪失になったとされる男の裁判で、検察側は死刑を求刑した。
小松博文被告(36)は2017年、日立市で妻と5人の子どもを殺害し、自宅に火をつけた罪に問われていて、勾留中に倒れて記憶喪失になったとして無罪を主張している。
17日の論告で検察側は、刑事責任能力の有無について、「精神障害がなかったことは明らか。自分の意思で犯罪を決意・判断している」と述べた。
また記憶喪失について、「犯罪行為の責任を左右するものではない」としたうえで、「6人もの命が奪われ、遺族の精神的損害は大きい。強固な殺意に基づく、冷酷、執拗(しつよう)かつ残虐極まりない殺害方法で大変悪質だ」として、死刑を求刑した。
これに先立ち、出廷した小松被告の妻の恵さんの父親は、小松被告に対し、「一日も早く、わたしたちの前から永遠に消えてほしい」と涙ながらに語った。