以前、「輸入バナナにはポストハーベスト農薬、燻蒸の危険性がある」という記事を紹介しました。詳しい内容は以下の記事になります。
そこで今回はポストハーベスト農薬、燻蒸の危険性がない「有機JAS認定」を受けているバナナのうち、実際に私が普段食べているバナナを紹介します。
私が普段食べている有機JASバナナは数種類あるのですが、そのなかで最も購入頻度が高い「インカバナナ」(株式会社ヒロインターナショナル)の紹介になります。
インカバナナ(ヒロインターナショナル)の特徴について
有機バナナの3条件って?
①産地の農園が有機JAS認証を取得していること
エクアドルやペルーの契約農園で、有機堆肥を使い、除草剤を使わずに除草作業をするなどして栽培しています。アンデス山脈の堆積物によりできた、バナナ栽培に適した土壌のため、化学肥料を使う必要がありません。米国のUSDA、EUの有機認証も取得しています。
②輸入時の植物検疫で害虫が発見されず、燻蒸処理をしていないこと
輸入の検疫時にカイガラ虫などが見つかった場合、青酸ガス(液体の青酸を気化させたもの)で燻蒸処理をします。バナナの袋に穴が開いているのは、追熟のためのエチレンガス(※)だけでなく、燻蒸処理の青酸ガスをまんべんなく行き渡らせるためでもあります。青酸ガスは大変危険なため、燻蒸作業には十分な注意が必要です。大手メーカーでは、コストを抑えるために現地で小分け・袋詰めし、袋ごと燻蒸処理をすることもあります。
③有機JASの小分け認定を取得している工場で加工していること
マニュアルに基づいて、小分け・袋詰めなどの作業をしています。
Q.燻蒸されたバナナは?
A.なのはな生協では、燻蒸した場合は供給しません。日本に輸入されているバナナのうち、有機バナナの割合は1%足らずです。燻蒸してしまうと、栽培工程で有機JAS認証をとっていても「有機バナナ」の表示はできません。
参照元:なのはな生協
インカバナナの一番の特徴は「有機JAS認定」を取得している点です。有機JAS認定を取得していないバナナと比較してどう違うのか?端的に言うと、ポストハーベスト農薬、燻蒸の影響があるかないかです。有機JAS認定を取得していない輸入バナナのすべてがポストハーベスト農薬、燻蒸の影響があるわけではありませんが、それらの農薬処理がされている可能性があります。
反対に有機JAS認定を取得しているバナナはポストハーベスト農薬、燻蒸の影響はありません。有機JAS作物は一部例外を除き、農薬の使用が禁止されているからです。
ポストハーベスト農薬は、輸入物の穀物類、柑橘類を中心に散布されます。栽培期間中に散布される農薬とは違い、収穫後に散布される農薬です。輸出入の際に倉庫での長期保管、長時間の輸送中にカビや害虫の発生を防ぐため、あるいは腐敗を防ぐために防カビ剤、防虫剤、防腐剤が散布されますが、それらをポストハーベスト農薬といいます。
バナナにおいては、このポストハーベスト農薬にあたるものとして「燻蒸」という処理が施されます。燻蒸とはわかりやすく説明すると、密室空間においてガスを充満させて害虫を駆除することです。輸入バナナは一つのコンテナに大量に入った状態で輸送されますが、そのコンテナ内に害虫が発見されると、コンテナという密室空間ごとガスを使って、コンテナ内のすべてのバナナに燻蒸処理を施すわけです。
害虫が発見されなければ燻蒸は行われませんが、害虫が発見されるとおもに青酸ガスで害虫駆除が行われます。青酸ガスは戦争で化学兵器として使われるほどの猛毒です。バナナの外側、内側、どちらに害虫が発生したか?によって使用する駆除ガスも変わってくるようですが、一番多く使われるのが青酸ガスのようです。
青酸ガスは揮発性が高いので害はないとされていますが、やはり猛毒のガスを直接バナナに施すわけですから、気持ちの良いものではありません。それに万が一健康に影響があったとしても、すぐにはその害に気付かず、徐々に蓄積された後、苦しむことになる気がします。これは私的な直感によるものですが。
長くなりましたが、上記が有機バナナと普通のバナナの一番の違いです。燻蒸の影響が考えられるか?考えられないか?の違いになります。
インカバナナ(ヒロインターナショナル)はどうして有機栽培が可能なのか?
ペルー産インカバナナおいしさの秘密
・雨季に氾濫する河川が、アンデス山脈の豊かな土壌を園地へ運んできます。
・南極から北上するフンボルト海流が、昼夜の温度差をもたらし風味を育みます。
・有機質のグアノという海鳥の糞を施肥しており、化学肥料は一切使っていません。
・乾燥地帯で雨が少なく、バナナの葉に寄生する菌の繁殖が抑えられ、農薬を使わずに栽培できます。
・昔ながらの「追熟」方法でじっくり熟成させ、「バナナ本来のおいしさ」を引き出してくれます。
・黄色みが濃くなるにつれて、味にコクが増してきます。
参照元:インカバナナのパッケージ
近海を流れるフンボルト海流の影響により、年間降雨量が少なく、またコスタと呼ばれる乾燥地帯にあるツンベス地方は、バナナを栽培する上で非常に恵まれた土壌です。
そのため、通常防除剤を使いコントロールするシガトカ病などのバナナ特有の病害虫がほとんど存在しない、理想的な気候風土を持つ地域です。
この地でオーガニック先進国であるドイツや米国より既に高い評価を受けているオルガニア社・アグロパチャ社をグループ企業化することで、産地でのバナナの品質や出荷数量のコントロールを容易にしています。
上記2点の引用分は、インカバナナのパッケージに書かれている文章とヒロインターナショナルのウェブに書かれている文章です。ヒロインターナショナルの有機バナナ、インカバナナの特徴に当たります。
どうして、ヒロインターナショナルの有機バナナ、インカバナナは農薬を使用せずに栽培することができるのか?その秘密は栽培地の環境にあるようです。
インカバナナの栽培地は年間雨量の少ない乾燥地であり、そのためバナナ特有の病害虫がほとんど見られないので有機栽培が可能なのです。通常はバナナ特有のシガトカ病といわれる病気の病害対策で薬剤が使われますが、ヒロインターナショナルの有機バナナにはその心配はありません。
またインカバナナにはグアノと言われる海鳥の糞を有機肥料として施肥しています。グアノ (guano) とは、島の珊瑚礁に、海鳥の死骸・糞・エサの魚・卵の殻などが長期間(数千年から数万年)堆積して化石化したものを言うようです。
インカバナナの味とその他、ヒロインターナショナル、有機バナナについて
有機JAS認定を受けた「インカバナナ」の味についてですが、普通のバナナと比較すると、すっきりとした感じで食べやすいバナナでした。しかし、バナナは成熟した状態とそうではない場合で味がかなり違うものです。インカバナナでも成熟度が増すにつれて甘みが強くなりますが、バナナ本来の味と言ったらよいでしょうか?雑味が少ない感じでバナナの味が濃くなる印象でした。
ヒロインターナショナルではインカバナナ以外にも有機バナナが存在します。ヒロインターナショナルの有機バナナ全体のブランド名は「ナチュラルヒーロー」であり、その中でインカバナナ以外のペルー産バナナ、またエクアドル産のバナナもあるようです。
ヒロインターナショナルのナチュラルヒーロー、有機バナナは栽培工程のフローをウェブで公開しています。他のバナナでこのような公表を行っているところは非常に少なく、とても安心安全だと言えるでしょう。栽培フローのウェブはコチラになります。
インカバナナの購入先
私は東京都杉並区高円寺にあるユータカラヤ高円寺店という一般的なスーパーで購入しました。一般的なスーパーでは慣行栽培の野菜、果物がほとんどですが、稀に有機栽培、自然栽培のものも置いてあります。インカバナナもその一つです。購入の決め手は、まず大前提として「有機バナナ」であること。そして価格が安かったことです。一袋4~5本入りで199円税別でした。インカバナナは他の自然食品店でも見かけたことがありますが、倍近い価格の店舗もありました。
有機バナナは他の慣行栽培のバナナと比べると割高です。100円~200円くらい高いです。しかし、安全安心を追求したいのであれば有機バナナをお勧めします。また、割高なバナナに糖度の高い高地栽培したバナナもありますが、そちらは有機ではありませんのでご注意ください。
ユータカラヤ(高円寺店)
・営業時間:10:00~21:00
・電話番号:03-5327-6220
・住所:東京都杉並区高円寺北3-21-17
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以下はネット通販「楽天市場」で売られている有機バナナの紹介です。
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